本の紹介7

君たちは今が世界(すべて)

朝比奈あすかさんの作品で、数年前に有名私立中学の入試問題で多数扱われた作品です。中学受験そのものを扱った同著者の作品「翼の翼」よりも、子どもの置かれた厳しい環境を群像劇を通してクローズアップして見せてくれます。

内容は刺激的です。しかし、中学受験を志そうとする皆様、現在その只中にいらっしゃる皆様には手に取ってほしい一冊です。子供たちの周りには、様々なストレス要因やプレッシャーが存在します。それは友達、教師、学校という組織、そして、家庭すらもその一つです。他方、それらの要因をうまく受け止めるまでには成熟しきれない子供たちがどう翻弄されるかを生々しく描いています。

以下は作品の一節です。

「イジメとか?」眉を寄せるママは、一見娘を心配しているように見えた。本当に心配してくれているといい。(本文引用)

こんなちっぽけな、期間限定の王国で、順序をつけた人形を並べているみたい。スマホの中の秘密のトークルームで香奈枝の悪口を言っているという三人が、朗らかな笑顔で香奈枝のダンスに拍手している。果たして藤岡先生は気づくだろうか。気づいたとして、あのふたりをきちんと問い質せるのだろうか。(本文引用)

フィクションと現実

それでは、現実はどうなっているのでしょう。参考までに資料と記事のリンクを設けました。「見てみようかな」と思った方はザっとご一読下さい。

文部科学省下「こども家庭庁」https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5aa667da-fe7f-4ea9-9ee2-7510121e6751/2d6548bb/20231016_councils_ijime-kaigi_dai2_01.pdf

サイゾー記事

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