塾には通常授業と春・夏・冬期に講習が用意されています。今回は6年生の夏期講習について思うところを述べてみようと思います。何かの参考になれば幸いです。
首都圏の大手塾の夏期講習比較
6年生の夏期講習についてまとめると、以下のようになります。
講座 | 追加講座 | 授業期間 | 費用 | テキスト | 授業時間 | |
SAPIX | 夏期講習 | 志望校特訓 | 23日+テスト1日 | 210100円 | 講習テキスト | 6時間 |
早稲田アカデミー | 夏期講習 | 24日+テスト2日間 | 172700円 | 講習テキスト | 6時間 | |
日能研 | 夏期講習 | 24日+テスト4日間 | 200232円 | 講習テキスト | 6時間半 | |
四谷大塚 | 夏期講習 | 8月特訓講座 | 26日+テスト2日間 | 205700円 | 講習テキスト | 約8時間 |
上記に誤りがあれば、御指摘ください。
夏期講習エクスプレス
上記の表で表しきれないことを表現すれば、太陽が昇って沈むまでの時間のほとんどを塾の中で過ごし、家で過ごす時間はその復習と宿題に明け暮れる、ということになるでしょう。そして、おそらく週一の休息日や盆休みは休みであって休みでない状況になるはずです。これは体感として、表題の通り一度乗りこんだが最後途中下車を許されないスピード列車で移動するようなものかもしれません。
もちろん夏期の授業内容はすべての塾で復習(場合によっては応用として演習)がその内容です。だから、こうした超特急での移動も快適かといえば、そうは問屋が卸さないというのが受験生の常です。この時期に弱点がない受験生はいないからです。
弱点どころではない。ほとんど一から復習したいんだという子ども達もいることでしょう。超特急の窓から見える景色は遠くこそ眺められるものの、近くの景色はほとんど目の中に入らず後方に投げ捨てられていきます。日々学習する内容がこの景色のようにならないことが、実は夏期講習の一番大切なことなのかもしれません。
旅の前には行程チェック
そうはいっても塾のカリキュラムは変えられないし、そこに頼むしか手段はないではないかといえば詮無いことになります。さりとて、授業の受け手として出来ることはありそうです。まず、夏期講習が始まる前に出来ることなら弱点教科とその弱点分野、さらに出来れば弱点項目まで明らかにして欲しいと思います。
もし、弱点教科というものが厳然と存在し我々を見下ろしているのなら、その教科の夏と割り切ってもいいかもしれません。言葉を変えて言えば、他の教科の復習時間を極限するということです。集中がもてば授業内で完結を目指してください。
また、弱点が分野に限られているなら、出来るだけその分野をリストアップしてください。これは子ども達に「やってね」と一言いって終わる代物ではありません。保護者あるいは何某かのサポートを必要とします。
弱点が各教科の部分的な項目にとどまるなら、特急の旅もそれなりに過ごせるかもしれません。しかし、この項目が計算ミスや漢字ミスそして問題の読み間違いなどであれば、一大テーマに匹敵する難物となりうるでしょう。
総じていえば、夏期講習は始まる前からすでに始まっているということになりそうです。
受験の主人公
夏期講習のカリキュラムは、冷静に考えれば、とても集中を持続できるような時間や期間ではないと思います。そこで、事前に計画を立てることが重要といいました。そして、その計画は子ども達一人一人で異なるものであれば、当然家庭単位で別々に立てられることになるはずです。
この辺りで原点を見つめることになります。
受験はどこまでいっても受験生がするということです。中学受験の場合は受験生は子ども達ですので、ここに家庭が入ってこざるをえません。これまで述べたことは簡単なことではないとは思います。しかし、超特急に乗るのであれば、少しでもその期間を意味のある時間にして欲しいと思います。
コメント